時を止める方法なんざあるわけねーだろ!
…いきなりテンションを上げてみたが、実際のところ時間ってのが
一定の速度で流れていないという事実がある以上、時を止めるのは
無理にしても減速するのは不可能ではない。
しかしだ。
よく考えてくれ。
そのためには何が必要かということだ。
たとえばこんな方法がある。
ものすごい重力によって光速に近い速度で「落下して」ウラシマ効果の
影響をうけることにより時間を減速する。
しかし、この方法には問題がある。
たとえば巨大な重力を作り出して時間を減速するとしよう。
…自分も重力の影響を受けるわけで、自分の周囲の時間も減速するのは
目に見えてるよな。
わかった、重力を使うのはあきらめよう。加速もしないようにする。
…実質的には違うのだが分子の運動を停止させれば時間を止めたのと
変わらないような気がするという、そんな第二案を思いついてみる。
絶対零度。
絶対零度の状態では分子の運動は一切停止するわけだ。
ていうか熱力学的な運動が一切行われない。
しかしこれにも問題があるっていうか、液体ヘリウムでも何でも大量に
ぶちまけたら十分氷付けになりうる予感がするな。
時間を止める前にそのエネルギーだけで十分すごいことになるって、
正直どうよ。そもそも時間止めて何をしたいのか、ってことだろ。
例えば自分だけ静止した時間の中でうごきたい、とかそんなのだろうか?
いずれにしろ、静止した時間の中で動けたとしても空気抵抗はすごいことになるわ、
人間触っても鉄みたいに固いわ、服も鉄板みたいだわということになる。
いや、鉄板どころか動きもしないかも知れん。
そんな中で無理やり動いたら加速しすぎで大気との摩擦で発火、
そもそも音速で動くと空気の壁にぶち当たるという根本的な問題が。
…だめだ、ろくな結果にならん。
時間を止めるとしても、周囲ごと止まってしまうという結論になるのは
まあ間違いないな。普通に考えて時間止めたとたんこうなる。
うぬ、それでも諸君は時間を止めたいというのか?
そこまで止めたいなら止めるが良かろう。
しかし、止めた時に何が起こるかということをさまざまなSF作家が
考えたが、それ以上に恐ろしい事態が起こる予感がするぞ。
何が言いたいかというとだ。
物理学的には、時間というものが非連続であるということが示唆されている。
時間が非連続?
…つまり、時間を減速するということはその非連続な時間を飛び越しつつ動く
ということになるわけで、ということはだ…。
時間を減速しまくると、異次元空間にはまるということになるのかも知れん。
時を止めるはずが異次元空間に落ち込む?ちょっと待て。
この宇宙はかつて10次元とも11次元ともつかぬ空間だったのだが、それが
現在の宇宙では4つの軸(3次元+時間)のみ残っている。
のこり6つはどこに行ったんだよ。まさかそいつが…?
をいおい、ということは時間を止めてあんなことやこんなことや…どころか
生きて帰れるのかとかそういう問題なのかそれは?
その異次元空間に一体何があるというんだそれ?
まあ今までに誰も行ったことがない世界だし一生関係ない…そうなのか?
本当に一生行くこともなく関係もないのか?関係ないならうれしいぞ。
時々どうにも納得がいかない時間跳躍の話を聞くが…
実はあれは作り話でもなく時間の狭間に落ちた人の話なのか?
だとしたら落ち込んだ人はどうなってしまうのか?
ただ死ぬのならあきらめもつくが、死ぬより恐ろしい世界が待っていない
保障はまったくない…何しろ誰も知らないのだ。
竜宮城でも待ってりゃいいだろうけど、そんなファンタジーな世界が
待っててくれるという楽観なんぞ多分吹っ飛ばされるだろうな。
もっというと落ち込む先の異次元自体、地球上のいつどこで落ち込んだのかで
結果が変わるかもしれない。ひょっとしたら竜宮城もあるかもしれないが。
時を止めるつもりが異次元への扉を開いてしまう、というのは正直な話し恐ろしい。
行方不明の人とか神隠しといわれる話とか…「こっち」にいない人もいるのだろうか?
生きて還った時に、こちらとの時間のずれもあるのだろうか?
あんまり行ってみたいと思えないな、たとえすごくいいところだとしても。
もしものすごくいいところだったら、結構考えるかも知れんが。
もうそれならいっそ、どうせ行くなら行きっぱなしで帰らないとか。
…サイトの更新しないと、とかいって戻ってきたりして。
他に大事なことないのかと、俺。